DAOって何?

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こんにちは!

過去複数回にわたって「ブロックチェーン」「NFT」「Web3.0」などDXの次のステージとして期待されるデジタル技術について記事を書いてきました。

最近、ブロックチェーン技術がもたらした新しいタイプで、かつ、管理者がいない「DAO」という株式会社ではない新しい組織形態のことを最近ではネット記事などでよく見られます。
今回は、その「DAO」について書いていきたいと思います。

そもそもDAOとは?

DAOとは「Decentralized Autonomous Organization」の略であり、日本語では「自律分散型組織」 と訳されています。

DAOの日本語訳である「自律分散型を組織」をさらに分解してみます。

・自律=第三者からの支配や制約を受けず、自動的に活動が発展していく状態のことで「自立」とは意味が違う。

・分散=バランスがよくムラがない状態のことで、ブロックチェーンの分野では、特定の誰かが絶対的な権力を持っていない状態を分散的だと表現するのが一般的です。

つまり「自律分散型組織」は誰にも支配されずに自動的に発展していく組織のことです。

 従来の組織形態、上場企業(株式会社)の革命

株式会社の歴史をさかのぼると、1602年の「東インド会社」から始まったといわれてます。
株式会社って400年以上の歴史がある仕組みなんですね。

DAOは、人類にとって実に400年ぶりとなる「発明」になる可能性があります。

DAOの3つの特徴

DAOの特徴として、自律的であるという「自律分散型組織」は誰にも支配されず、自動的に発展していく組織のことで、おもに3つの特徴があります

・社長(絶対的な権力者)がいない
・投票トークンで意思決定する
・匿名での参加が可能

社長(絶対的な権力者)がいない

1つ目の特徴として、通常の会社とは違い絶対的な権力を持つリーダーがいないということです。
既存の企業には社員に支持を出して方針を伝える「社長」がいますが、DAOにはこうした権力を持つリーダーがいないのです。

DAOにおいては、特定の誰かが他のメンバーに支持を出すのではなく、参加者自らやりたい仕事を提案することが一般的で 誰も命令をしてきません。

DAOのスタイルは通常の会社とで大きく違うのが面白い点です。
然しながら、別の見方をすると「指示待ち人間」には、そもそも活躍の場がないということになります。

投票トークンで意思決定する

2つ目の特徴として、組織の意思決定は「ガバナンストークン(投票トークン)」で行います。
一般的な会社には、株式をもつ「株主」がいて、会社の方針を決めるには、株主が意見を申し立てて議決権を行使しますが DAOには株主など存在せず、代わりに議決権として「ガバナンストークン」が使われます。

そのガバナンストークンを手に入れる手段は、DAOに貢献し運営者から付与してもらう方法と、市場で買うこともできるのです。

投票トークンの保有者が意見を述べる仕組みは株式とよく似ていますね。

匿名での参加が可能

3つ目の特徴は、匿名でDAO参加ができる点です。

当たり前ですが、既存の企業で匿名で入社することはできません。
会社に住所や本人確認の書類を人事に提出して入社するのが一般的な流れです。

DAOなら完全に匿名で参加ができ、ガバナンストークンを買うときも当然ですが本人確認などは不要なのでDAOにおいては、他人の性別年齢国籍住所など把握しておらず、だれも気にすることはありませんので、非常に強い「実力主義」の構造で動くことになります。

しかし、今存在している多くのDAOは、まだまだ人間主体であり、完全な状態ではありません。
DAOを成功させるには、経済的な利益や精神的な満足を追求するために参加者が自由に利用できるコミュニティの存在が重要になります。

DAOにまつわる今後の課題

現在、自律的に稼働しているDAOは「ビットコイン」と「イーサリアム」くらいしかないのが現状です。

初期段階から完全なDAOにすることは、とても困難!!
当然ですが、プロジェクト初期には、誰かがリーダーシップを取り、開発を進めていく必要があります。

その意味でDAOを立ち上げる際は、最初からDAOなのではなく徐々にDAO化していくことを前提にするべきなのではないでしょうか。

インセンティブの効果が続かない

最初はトークン目的として人が集まってきますが、DAOの運営を続ける中でトークン価格やもらえる量が減るとユーザーは離れて行きます。

持続的な成長が描けない

DAOを作った初期は盛り上がったとしても、求心力を失うとメンバーはどんどん抜けていきます。
結果として創業者だけが残り、中央集権型に戻るケースも起こりうる。

ガバナンスがうまく機能しない

例えば、投票数が少ないDAOで悪意のある提案が可決された場合、一度可決された提案が運営側から一方的にキャンセルされ、可決された提案がなかったことになり、過去に乗っ取り失敗した事例があります。これって全然、自立分散ではないですよね!

DAOを運営するための管理ツールが整備されいない

現在あるガバナンス投票を実現するためのツールは実際にはまだまだ使いにくく
多くのDAOツールは英語版しか用意されていないのが現状です。

DAOの運営ではDiscordやGoogleDocsなどが使われているが、これらは従来型の中央集権型サービス!

自律分散型組織のDAOを運営するのに中央集権型サービスを利用するのは違和感を感じますね。

参加者のリテラシーが求められる

DAOに参加するためには、クリプトにまつわる最低限のリテラシーが求められます。
トークンの扱いひとつをとっても仮想通貨ウォレットの利用方法、ガス代(手数料)の調達方法、DEXの利用方法などなど さまざまな知識が求められます。

例えば、DAOに対する関心はあっても、ほとんどのユーザーが、Metamaskに資金を入れ、目的のチェーンまで資金をブリッジすることができずに
挫折することになります。

法律・税務的な整備が不十分

・誰がどうやって納税するのか?
・どこの国の管轄にするのか?
・どの法人で処理をするのか? 

収益が発生する異常、税金を支払う必要があります。
そもそもDAOは法人になるのか?の前提条件も不明確なんです。現時点では法律にどのように当てはめれば良いのか正解がまだありません。

プログラムコードのバグ

一部のDAOでは収益配分や意思決定のガバナンス機能にブロックチェーン上の取引、もしくはブロックチェーン外から取り込まれた情報をトリガーにして実行されるプログラムのスマートコントラクトを使用してるので、これらにバグが起こるとDAOそのものが崩壊することになります。

有名な事例として、2016年にイーサリアムで起こった「Tte DAO」事件です。
スマートコントラクトのバグでハッキングが発生して、50億円以上が盗まれたので、イーサリアムをハッキング以前の状態に戻し、新たにブロックチェーンを分岐させました。

このThe DAO事件が元となり新たな仮想通貨である「イーサリアム クラシック」が誕生しました。

まとめ

・DAOは自律分散型組織 
・絶対的権力者がいない 
・自発的なコミットメントが求められる 
・初期段階から完全なDAOにすることは困難 
・DAOを運営するための管理ツールが整備されいない 
・法律・税務的な整備が不十分 
・参加者のリテラシーが求められる 
・プログラムコードのバグ 

最後になりますが、この日本ではトークンの発行についての規制、そして仮想通貨にまつわる税制が諸外国に比べ異常なくらい厳しいのが現実です。

海外ではごく一般的に行われている仕組みでも、日本で同じようなことをすると最悪逮捕されることもあるので、日本からDAO、Web3のスタートアップをつくることは、非常に困難であり危険だとも言えるので海外に拠点を移す起業家も増えてくるでしょうね。

今回の記事は、「DAOってなんだぉ?」イケハヤ(著)の書籍を参考にしました。

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